銀行カードローンで過払い金は発生する?今後のローン審査への影響は?

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払いすぎた利息を取り戻す「過払い金請求」は、2020年には手続きできなくなります。

ただしノーリスクで請求できるわけではなく、現在借入中(キャッシング利用分の返済中)の人はブラックリストに載る可能性もあります。

ここでは、絶対に知っておきたい3つのポイントを解説します。

  • 過払い金請求が出来る仕組み
  • 信用情報に傷がつくパターン/傷がつかないパターン
  • 弁護士や司法書士にお任せすべき理由

銀行カードローンの審査基準と審査に落ちる理由をプロが徹底解説

そもそも過払い金って何?

過払い金とは、貸金業者(主に消費者金融)に払いすぎた利息のことを指します。

現在は利息制限法によりカードローン金利に上限が定められていますが、以前は刑事罰を受けない範囲で不当に高い金利が設定されていました

現在の利息制限法
元本が10万円未満 上限金利20%
元本が10万円以上100万円未満 上限金利18%
元本が100万円以上 上限金利15%

2010年に行われた法改正まで、貸金業者は出資法に基づく上限29.2%の金利を設定していました。ここの時代にキャッシングを利用し・返済していた人は、現在の上限金利との差(グレーゾーン金利)を返還請求できます。

法改正で廃止された「みなし弁済」とは何か

グレーゾーン金利が認められた背景として、サラ金の不当な高利貸しを実質容認していた「みなし弁済」というものがあります。

これは「制限を超過する利息をとっても、要件を満たせば正当性があるとみなして、罰則の対象としない」とする法律でした。

契約時の書類に簡単な但し書きをする程度で要件を満たせるため、カードローン利用者にきちんとした説明がなされないまま高利がまかり通っていたのです。これはサラ金問題一因として、当時の国会議員も問題視していました。

状況が変わったのは2006年です。

最高裁の判決で「みなし弁済が適用されることはあり得ない(無効だ)」と下されたことで、高利貸しに正当性はないという方向に修正されていきました。

  • 2006年の「みなし弁済に関する判例」
  • 2010年の利息制限法の見直し

この2点により、過払い金請求ができるようになったのです。

銀行カードローンも過払い金の対象になる

過払い金請求できるのは、2010年より前にサラ金と信販会社(オリコやアプラス等)で借りていた人です。銀行系カードローンも、2010年の法改正以前に借りていた場合は、もちろん請求対象になります。

しかし実際には、この時期に個人向けカードローンを営業していた銀行はほぼゼロです。

念のため、貸金業者の吸収合併情報の確認を

一部例外があることも見逃せません。

法改正前に高金利で営業していたクレジットカード会社の「アプラス」は、現在ではレイクALSAで知られる新生銀行の傘下に入っています。つまり、アプラスの過払い金請求先は新生銀行グループとなります。

レイクALSAの審査の流れ!金利・返済・レイクとの違いを解説

このように、貸金業者の吸収合併・子会社化で、結果的に銀行が請求先となる可能性があります。

過去のキャシング歴・今利用しているカードローンの会社の沿革を調べて、分からない場合は弁護士に調査を依頼しましょう。

弁護士・司法書士に依頼すれば過払い金を返してもらえる

過払い金請求は自力で行えます。しかし、特別な理由がない限り、弁護士・司法書士に依頼することをおすすめします。

その理由を解説する前に、過払い金請求の手順を説明します。

【請求の手順】

  1. グレーゾーン金利時代の取引履歴を貸金業者に請求
  2. 過払い金の計算・金額の確定(請求する側が行う)
  3. 貸金業者と話し合い
    …話し合いで合意に至れば、過払い金が返還される

過払い金返還は貸金業者にとって不利益であるため、カードローン利用者側が積極的に動く必要があります。なかには①取引履歴の請求に応じない業者も存在する上、③の時点で裁判に発展する場合すらあります。

貸金業者が倒産寸前の経営状態の場合は、より高度な交渉テクニックが必要です。

経験豊富で専門知識を有する弁護士・司法書士を通さずに請求を行うことは、一般の人には不可能と言っても過言ではありません。また、自己判断で過払い金請求をすることには、次のようなリスクもあります。

借入中の過払い金請求に注意・ブラックリストに載る場合もある

「過払い金請求は信用情報を傷つけない」と言う情報もありますが、正確には金融ブラックになる場合も存在します。

まずは、信用情報を傷つけずに済むパターンから紹介します。

安全なパターン①完済ずみ(現在は借りていない業者)に対する請求

過払い金請求する時点で残債ゼロ(返すべき残高が残っていない)業者に対する過払い金請求は、ブラックリストに載ることはありません。ただし、以下の例に注意して下さい。

請求先が他社に吸収合併/子会社化されている場合

先に述べたアプラスの例(新生銀行グループの子会社化されている)を再び紹介します。

アプラスでの残債がゼロ・レイクALSAでカードローン返済中の場合、アプラスに対して行う過払い金請求により、レイクALSAのカードローンで「任意整理」したものと見られて金融事故となる可能性があります。

詳しくは後ほど紹介しますが、過払い金請求先が現在利用中の他社に吸収合併されていないか、弁護士とともによく調べる必要があります。

安全なパターン②現在もキャッシング利用中で、過払い金で完済できる場合

過払い金請求先でキャッシングを現在も利用中(返済中)の場合、返還された過払い金で完済できるのであれば、ブラックリストに入ることはありません。

【例:A社に対する過払い金請求】
A社から返還された過払い金 > A社の借入残高
貸金業者の吸収合併で金融事故とならないパターン

吸収合併の履歴を確認する必要があると解説しましたが、前項で紹介したアプラス・新生銀行の例で結果として金融事故にならないのは、次のパターンです。

アプラスから戻ってきた過払い金 > レイクALSAの利用残高

吸収先の新生銀行グループに対する借入残高が完済できれば、ブラックリストに載ることはありません。

金融事故になるパターン:過払い金で完済できない場合

同じく、過払い金請求先でキャッシング残債がある(現在も返済中)場合です。
次のパターンは「任意整理」と見なされ、以降3~5年に渡って金融ブラックとなります。

例:A社に対する過払い金請求

A社から返還された過払い金 < A社の借入残高
…返還された過払い金だけでは完済できない。

こうなると信用情報を傷つくばかりでなく、A社において半永久的に借りられなくなる「社内ブラック」と呼ばれる状態になります。

請求先が銀行だった場合、住宅ローン・自動車ローンの契約にも大きな影響を及ぼすことになります。

過払い金請求で注意するポイント

過払い金請求の際は弁護士・司法書士からブラックリストに関する確認や説明が行われますが、自分でも次の点に気を付けましょう。

  1. 返済中の貸金業者に対する過払い金請求
  2. 過払い金請求先が、現在返済中の貸金業者や銀行に吸収合併されている

①②のいずれかに当てはまる場合、取り戻した利息(過払い金)で完済できなければ、ブラックリスト入りして今後ローンを組むことが極めて困難になります。

しっかりと確認してから請求手続きに入りましょう。

2020年までに過払い金請求しないとお金が返ってこない!

過払い金請求には時効があり、最終取引(完済)から10年が経過すると請求権を失います。グレーゾーン金利撤廃からちょうど10年目にあたる2020年には、国内のすべての人から過払い金請求権がなくなります。

今請求について迷っている人は、2020年までには必ず弁護士・司法書士に相談しましょう。

10年以上前に借りた場合でも、過払い金請求できる場合がある

現在は2018年ですが、11年前にあたる2007年に完済した場合の過払い金請求について考えてみましょう。最終取引から10年以上経過しているため、今から請求することは通常出来ません。

しかし、そのあと同じ業者からまた借りている場合に限り、時効を延長できる可能性があります。完済前後において「取引の連続」と見なされると、最終取引日がより新しい年月日になるためです。

ここで述べたケースであれば、最終取引が2008年以降であると法的に判断できるのであれば、2018年現在でも過払い金請求できます。

「取引の連続」で時効延長可能かどうかの判断は、弁護士・司法書士にしかできません。同じ業者で2度以上も完済・キャッシング経験がある場合は、法律事務所でまず相談しましょう。

業者が倒産すれば過払い金請求はできない

「まだ2020年まで期間があるから大丈夫だろう」と考えるのは危険です。貸金業者が倒産し、過払い金請求できなくなるケースが多発しているためです。

大手消費者金融であればともかく、街金・中小消費者金融は、殺到する過払い金請求により大きな損害を抱えています。経営が困難になるケースも多く、次々に倒産しているのが現状です。

過払い金請求には通常3~6カ月程度かかり、その間に請求先が破綻すれば、請求の際にかかった手間や依頼料がムダになってしまいます。早めに手続きに踏み切ることをおすすめします。

まとめ

2010年以前のカードローン利用について、法的に「払い戻した利息を取り戻す権利」を認められています。ただし、現在も何らかのキャッシング利用分を返済中の場合、過払い金請求でブラックリストに入ってしまう可能性があります。

特に銀行系カードローン・銀行グループ傘下の消費者金融を利用している場合、今後大型ローン契約が出来なくなる可能性があります。

弁護士や司法書士に依頼して過払い金請求を行うメリットには、こうした確認もプロにお任せできる点も含まれます。

「2020年はまだ先だから」と油断していると、業者の倒産や権利消滅の可能性があります。自身の過払い金請求権について調べたい人は、なるべく早く行動しましょう。