教育ローンの審査内容はどうなっている?審査の裏側をわかりやすく解説

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教育ローンとは、使い道を高校・専門学校・大学など義務教育ではない教育機関の学費に限ったローンのことです。

主に、銀行やノンバンク(審判会社)など、金融機関が個人を対象に貸し付けています。

なお、教育ローンを使う場合、金融機関の窓口で相談し、審査を受けたうえで、合格すれば初めて利用できるのが一般的な流れです。

いったいどんなことが審査においては重視されるのか、何があると審査に通りにくいのか、その裏側を解説しましょう。

教育ローンの審査は甘い?厳しい?審査に通らない理由と落ちた時の対処法

教育ローンの審査は大きく2種類に分けられる

一言で「教育ローンの審査」といっても、実際は大きく分けて2つの側面から審査が行われます。

「申し込み者自身の収入や信用情報などに関する審査」と「希望の融資額や借入目的に関する審査」の2つです。

このどちらかに問題があった場合、希望する金額の借り入れができなかったり、教育ローンの審査そのものに落ちてしまったりする可能性もあります。

具体的にどのような事項をチェックされるのか、詳しく見ていきましょう。

1)申し込み者自身の収入や信用情報などに関する審査

まず、「申し込み者自身の収入や信用情報などに関する審査」ですが、これは、「申込者自身がちゃんと返済できるか、お金を貸して良い信頼できる人か」を審査することです。

収入については、「定職についていて、安定した収入があるか」が重視されます。

勤務先がいわゆる一部上場企業や官公庁である場合、「倒産のリスクが低い勤務先」として、審査に有利になる可能性が高いでしょう。

一方、その年の年収が高かったとしても、自営業者やフリーランスなど「安定して収入が得られるかわからない」場合は、審査に不利になることもあるので、注意が必要です。

また、信用情報についてですが、簡単に言うと「クレジットカードや各種ローン、公共料金の支払いを期限通りに済ませているかどうか」が重視されます。

クレジットカード、家や車のローン、公共料金の滞納が頻繁にあった場合、金融機関は「この人はお金を貸しても期限通りに返してくれるとは限らない」と判断するのです。

過去にそのような滞納歴があった場合、審査においてはかなり不利になります。心配な場合は、指定信用情報機関に問い合わせをし、自分の信用情報を一度確かめておくといいでしょう。

2)希望の融資額や借入目的に関する審査

教育ローンは名前の通り、「教育費として使うお金を貸し出すもの」です。そのため、明らかにこの目的に見合わない金額での融資は行いません。

例えば、「私立大学経済・経営・商学部の初年度納入金に使う」ことを目的として、教育ローンを申し込む場合を考えてみましょう。

ある進学情報誌の会社が行った調査によれば、平成29年度の私立大学経済・経営・商学部の初年度納入金の平均額は約125万円でした。

実際にいくらかかるかは、個々の場合によって異なりますが、この平均額からあまりにかけ離れた金額の融資を申し込んだとしても審査に通らない恐れは十分にあるのです。

「希望の学校に進学するには、いくらかかるのか」を踏まえ、無理のない借入額を設定するのが、重要になるでしょう。

審査で最も重視されるのが返済能力と信用情報

教育ローンを提供する金融機関が一番恐れているのは、「貸したお金が返ってこないこと」です。そのため、教育ローンの審査にあたっては、返済能力と信用情報を何よりも金融機関は重視します。

ここで、返済能力と信用情報について解説しましょう。返済能力とは、文字通り「お金を返済する力」です。

より詳しく言うと、借主が毎月どれだけの金額を継続して返済していけるかという目安を指します。

借主の職業・収入など、借主自身の状況によって、返済能力は左右されるのです。もちろん、教育ローンの審査を新規で受ける場合も、返済能力は重視されます。

一方、信用情報とは、クレジットやローンなどの信用取引に関する契約内容や返済・支払状況、利用残高などを指しています。

クレジットやローンなどを利用すること自体、何ら問題はありません。

しかし、返済が滞っていたり、利用残高が収入に見合わないほど大きかったりする場合は、やはり教育ローンの審査において不利になるので、注意が必要です。

収入が低ければ返済ができないので審査には通らない

先ほども触れましたが、金融機関が融資を行う際には、「貸したお金が返ってくるかどうか」を重視します。

そのため、返済能力が乏しいと考えられる、つまり、返してくれそうにない相手には融資を行いません。

教育ローンにおいてもこれは例外ではなく、収入が低い場合は審査に通らない場合も多いのです。

ある銀行の教育ローンの場合、申込の条件の一つに「前年度税込年収(個人事業主の方は申告所得)が200万円以上で安定かつ継続した収入の見込める方」とあります。

実際はこの条件を上回っていたとしても、年収が少ないという理由で審査に通らないことも十分に考えられるでしょう。

もちろん、審査の基準は金融機関によって様々です。

ある金融機関では審査に通らなかったものの、別の金融機関なら審査に通ったというケースもあるので、いくつか比較検討し、手続きを進めましょう。

過去に返済の滞納や借金があると審査に通りにくい

住宅ローンやカードローンなどの各種ローンや携帯電話料金・公共料金等を長期間滞納した場合、金融事故として扱われます。

このような金融事故を起こした場合、指定信用情報機関にその履歴が登録されるのです。

金融機関はその履歴も参考にしたうえで、教育ローンをはじめとする融資やクレジットカードの新規発行の審査を行います。そのため、過去に返済の滞納や借金があると審査に通りにくいのです。

なお、指定信用情報機関に履歴が登録されている期間は、「契約期間中および契約終了後5年以内」と定められています。

登録内容が事実である場合、その情報を訂正・削除することはできないので、注意が必要です。

指定信用情報機関に対し開示請求を行うことで、自分の登録情報を確認できるので、不安な場合は一度試してみるといいでしょう。

各種ローンを同時に利用している時も審査に通りにくい

教育ローンを申し込む場合に注意したいのが、他の出費との兼ね合いです。

特に、持ち家があり、住宅ローンを支払っているなど、各種ローンを併用している場合は注意が必要になります。

まず、各種ローンは毎月一定額を支払う場合がほとんどです。そこに教育ローンの支払いが加わると、月々の固定費としての支払いが高額になるのは十分に考えられます。

また、月々の支払いが高額になることから、利用者が途中で他の金融機関への借り換えを検討する恐れもあるのです。金融機関にとっては、金利収入の一部を失うことになるため、途中で借り換えをする可能性がある利用者への貸し付けは慎重にならざるを得ないでしょう。

さらに、借り換え以上に深刻なのが、滞納です。月々の支払いが高額であるため、利用者が失業したり、病気で働けなくなったりした場合は、支払が滞る可能性もあります。このような事情があるため、各種ローンを同時に利用している場合、教育ローンの審査に通りにくい場合もあるのです。”

融資の限度額や借入目的も重要

教育ローンの審査においては、限度額や借入目的も重要になります。金融機関によって、限度額は様々ですが、大切なのは「自分が本当に必要な金額を借りる」ことでしょう。

そのためには、教育ローンを借りる前に、必要な資金のシミュレーションを行うと効果的です。

例えば、大学への初年度納入金を教育ローンで賄う場合、志望校の入学案内を参考にして、いくらあれば大丈夫なのか、計算しましょう。

その結果と「毎月いくらくらいなら返済できるか」を考えた上で、実際に融資を申し込むと、審査に通りやすくなるだけでなく、その後の返済もスムーズに行えるはずです。

また、教育ローンと並行して、返還不要の奨学金など、他の制度の利用も検討しましょう。様々な制度をうまく組み合わせて使うことで、余裕をもって学費を用意できるでしょう。

収入が低くても希望額が低ければ返済に余裕ができる

「自分は収入が低いから、教育ローンが利用できないかもしれない」と心配する人もいるかもしれません。

しかし、収入が低いから、という理由で全く教育ローンが利用できないというわけでもないのです。

日本政策金融公庫や労働金庫など、公益性の高い金融機関では、利用者の収入基準が民間の金融機関に比べてかなり低く設定されている場合も多くなっています。

そのような金融機関を選び、融資希望額を低く設定することで、審査に通る可能性も出てくるのです。

また、融資希望額を低くすれば、月々の返済額も低くなるので、生活に余裕も出てきます。

進学する本人にアルバイトをしてもらったり、返済不要の奨学金を併用したりなど、学費や生活費を節約する方法を組み合わせるとさらに効果的でしょう。

もし、進学する本人の成績が優秀なら、国公立の学校への入学を目指すのも一つの手段です。

国立の大学に関しては、入学金と授業料は、文部科学省が定めた標準額の20%増を限度に、各大学が決めることになっています。

平成29年度の場合、初年度納入金の標準額は817,800円でした。つまり、どんなに高くても100万円程度でおさまる計算になるため、学費の節約という意味では非常に効果的でしょう。

教育ローンで賄う場合でも、一度に用意すべき金額が少なくなるため、審査にも通りやすくなるのが大きなメリットです。

年収の3分の1以上の借入を希望すると審査に通らない

以前、消費者金融による違法な貸し付けが問題となったのをきっかけに、法律(貸金業法)で「総量規制」が設けられました。

わかりやすく言うと、「個人を対象にして年収の3分の1を超えて貸し付けをしてはいけない」ということです。

ただし、住宅ローン・車のローンなどは、総量規制から除外されているため、年収の3分の1以上の借り入れをしたとしても、問題になりません。

しかし、教育ローンの場合、総量規制から除外されていないため、年収の3分の1以上の借入を希望しても審査に通るのは難しいのです。

例えば、住宅ローンだけを借りている年収600万円の人が、教育ローンで300万円の借入を希望したら、審査に通らないでしょう。

なお、総量規制は本来、貸金業法上の規定であり、この法律の影響を受ける信販会社や消費者金融会社が提供する商品に適用されます。

そのため、貸金業法の規制を受けない、銀行が提供する商品には適用されません。

しかし、自主的な規制として、年収の3分の1以上の貸し付けは行わないとしている銀行も多いことを覚えておきましょう。

借入目的は必ず教育に関わるものでないといけない

住宅ローンが「自分と家族で住む家を購入するための資金を借りる」のが目的であるように、教育ローンも「家族が教育を受けるための資金を借りる」のが目的の商品です。そのため、審査においては、「貸したお金が教育に使われるのかどうか」が重要視されます。

具体的に、どういうことに使えば「教育に使われる」と判断されるのかを、ある公的金融機関の教育ローンを例にとって説明しましょう。

まず、融資の対象となる学校については、以下の教育施設が挙げられています。

  1. 大学・大学院・短期大学
  2. 専修学校・各種学校・予備校・デザイン学校
  3. 高等学校・高等専門学校・特別支援学校の高等部
  4. 外国の高等学校・短期大学・大学・大学院・語学学校
  5. その他職業能力開発校など

また、使い道についても、学校納付金、受験にかかる費用、在学のため必要な住居費用、教科書代などかなり幅が広いです。

つまり、「何等かの学校に通うために必要な費用」なら、教育ローンで賄えると考えていいでしょう。

教育ローンの審査は2回に分けておこなう

実際に教育ローンを申し込んだ場合、審査は2回に分けて行われます。

最初に、審査通過の基準を満たしているかがコンピューターで自動審査され、それを通過したら、紙の申込書を人の手でチェックする本審査に進むというシステムです。

なお、金融機関によっては、公式ホームページ上でコンピューターでの自動審査を受け付けている場合もあります。

その金融機関に口座を持っている場合は、最短で翌営業日中に自動審査の結果を教えてくれることもあるので、手続きがスムーズに進むでしょう。

そして、自動審査に通った時点で、必要な書類を提出し、本審査に進みます。

この時点で問題がなければ、審査を正式に通過することができ、融資を受けられる仕組みです。

教育ローンは即日で借りられる?審査時間の短いおすすめローン

1)審査通過の基準を満たしているかを簡単にチェック

“審査通過の基準を満たしているかどうかは、コンピューターで自動審査されるため、早い段階で結果が出ます。

銀行や消費者金融などの金融機関においては、スコアリングといって、一定のプログラムに基づき、個人の職業・年齢・信用情報等を点数化し、その結果に基づいて与信の可否を決定するシステムを用いるのが一般的です。

スコアリングを導入することで、与信にかかる時間や人件費を節約できるため、現在では様々なローン、クレジットカードの審査に導入されています。

もちろん、教育ローンの審査においても、これは例外ではありません。

そのため、「最短翌営業日で仮審査の結果を回答」ということも起こり得るのです。

万が一、この段階で審査に通過できなかった場合は、他の金融機関の教育ローンを検討しましょう。

2)申込内容に嘘がないか書類などを使ってチェック

一方、自動審査を通過できた場合でも、人の手で書類をチェックした際に、審査に通らないこともあり得ます。

仮審査の結果と矛盾があった場合、人の手を使って精査するためです。矛盾があるとみなされる原因は様々です。

一般的なものとしては、「書類の不備」「誤字・脱字があまりに多かった」「押印漏れがある」「身分証明書の有効期限が切れていた」「提出期限を過ぎてしまった」などが想定されます。

審査を受ける際は、必要な書類を漏れなく用意し、誤字・脱字のないように記入し、期限通りに提出しましょう。

また、書類を用意する中で不明な点があった場合は、その時点で一度コールセンターなどに電話し、解決しながら進めると効果的です。

教育ローンの審査基準はどこも同じなの?

教育ローンを提供している金融機関はたくさんあります。しかし、どこも同じ審査基準を採用しているとは限りません。

仮に、同じ人が別々の金融機関で教育ローンに申し込んだとしても、一方では審査に通り、もう一方では通らないということは、十分に起こり得るのです。

詳細な審査基準を公表していない金融機関がほとんどのため断言はできませんが、このような現象が起こっている以上、すべての金融機関が同じ審査基準を採用しているとは考えにくいでしょう。

1つの傾向として指摘できるのは、民間の金融機関より、日本政策金融公庫や労働金庫など、公益性の高い金融機関の方が、審査基準がやや緩いことも指摘できます。

このような金融機関は、営利性よりも公益性を重視しているため、民間の金融機関で借り入れができない場合でも、状況によっては融資を行うケースも多いためです。

また、民間の金融機関で申し込みをする場合、それまでに取引履歴がある金融機関の方が、審査において有利になるケースも多々あります。

取引履歴があるということは、その会社にとっては優良な顧客であるため、できる限り優遇しようとする心理も働くからです。

教育ローンには共通審査と独自審査がある

どの金融機関であっても、教育ローンの審査にあたっては、収入や信用情報の状況は必ずチェックします。いわゆる共通審査です。

しかし、金融機関ごとの独自審査も設けられているため、実際の通過基準は金融機関によってまったく違うのも事実です。

例えば、申し込む人の年収一つとっても、金融機関によって大きな差があります。

「継続安定した収入のある方(パート・アルバイトの方もお申込みいただけます。

継続安定した収入があれば年収・勤続年数などの条件はありません)」としている都市銀行もある一方で、「前年度の税込年収(事業所得の方は申告所得)が200万円以上のお客さま。」と明確な数字を示している都市銀行もあるのです。

明確な数字が示されている場合は、この条件から外れると通過は厳しくなるでしょう。

各金融機関の申し込み条件をまずはチェックしよう

一言で金融機関と言っても、都市銀行・地方銀行のように「営利を目的として運営する企業」なのか、日本政策金融公庫・労働金庫のように「公益を目的として運営する組織」なのかによって、そのビジネスのあり方はまったく違います。

教育ローン一つとっても、前者の場合は「回収できる可能性が高い人に貸す」という前提で商品を設計しますが、後者の場合は「できる限り様々な人に貸せるようにする」という前提で商品を設計するのです。

このように、申し込み条件は各金融機関によって差があるため、まずはチェックすることが大切です。

例えば、申し込みに当たって年収の条件を設けている場合は、その金額に足りない場合はもちろん申し込めません。

さらに、金額の条件をクリアしたとしても、より年収が高い方が、やはり審査においては有利でしょう。また、「医歯薬学部入学者限定」など、利用できる条件を狭めている教育ローンの場合は、審査に通りやすいと言えます。

教育ローンを選ぶ場合は、「たまたま知っている金融機関だから」「店舗が家の近くにあるから」などの理由だけでなく、「借り入れをして、返済していけるかどうか」をまずは考えてみましょう。

その上で、様々な金融機関の教育ローンを見比べ、申し込みをすると無理なく利用できるはずです。

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