効力のある「借用書」の書き方!しっかり書いて金銭トラブルを防ごう

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借用書

お金を貸し借りをする時に、効力を持つのが「借用書」。借用書は、お金を貸した、借りたという証拠となります。

親しい間柄だと、ただの口約束で金銭のやりとりをしてしまいがちです。しかし、一度お金でトラブルになってしまうと、相手との関係性に確実に傷がついてしまいます。

相手との関係性を守るため、そして、自分の潔白を証明するためにも、しっかりと証拠を残しておく必要があります。

借用書を作る時に必要なもの

用意するものは以下の通りです。

【借用書作成時に用意するもの】

  • 紙(一般的にA4サイズ)
  • 手書きの場合=筆記用具(消えないもの・一般的に黒か青のペン)
  • 印刷の場合=入力、印刷機器(機器はなんでも可・一般的に黒インク)
  • ホチキス
  • ハンコ、朱肉
  • 収入印紙

これだけの準備が必要です。制作する前に準備しておきましょう。

収入印紙ってなに?額は?

収入印紙とは「国が租税や手数料を徴収するために必要な紙」です。

この収入印紙は、郵便局や法務局などの印紙捌き所というところで購入が可能です。最近ではコンビニでも入手が可能なので、気軽に手に入れることができますよ。

収入印紙の額は、貸し借りする金額によって変わります。

金銭 収入印紙の額
1~9,999円 なし
1万~10万円 200円
10万1円~50万円 400円
50万1円~100万円 1,000円
100万1円~500万円 2,000円
500万1円~1,000万円 1万円
1,000万1円~5,000万円 2万円
5,000万円~1億円 6万円
1億1円~5億円 10万円

個人で1億円も貸し借りするひとはあまりいないかもしれませんが、一応記載しておきました。

借用書に貼っておきましょう!あとは書いていくだけです。

借用書が効力を持つための条件9つ

基本的には、借用書には決まったフォーマットはありません。

しかし、適当に書いてしまうと、「証拠」として効力を持たなくなってしまいます。

借用書が効力を持つためには、最低限9つの条件があります。

  1. 「借用書」だと言うことを示す標題
  2. 借用金額
  3. 利息について
  4. 返済期日
  5. 返済の方法
  6. 「お金を借りた」ことを明記
  7. 金銭を受け取った日時
  8. 借りた人の住所氏名・押印
  9. 借りた人の氏名

これについてしっかりと記載があることで、「借用書」となります。

この項目を満たすように書いていきましょう!

収入印紙は契約書の効力には影響しない

ここで「収入印紙はいいの?」と思うかもしれませんが、収入印紙がなくても、契約書の効力が無効になることはありません。

しかし、貼っていない、金額が不足していることが発覚した場合、2倍の額の税金が課せられます。

絶対に必要な9つの項目の書き方

9つの項目と書いてあるけど、どんな風に書けばいいの?と思いますよね。

基本的には借用書には決まっていることはありません。

わざわざ小難しい言葉を使う必要だってありません。どんな言葉遣いで書かれていても、契約書の効力に変わりはありませんよ。「です・ます」調でもOKです。

参考程度にするのであれば、以下のようになります。

まずはこれらのフォーマットで、なんとなく雰囲気を掴んでおきましょう!

金銭借用書

貸主 〇〇 〇〇 殿

  1. 私は貴殿より、平成◯年◯月◯日、金〇〇円を借り受けました。
  2. 上記は借金につき、平成◯年◯日限り一括にて返済いたします。
  3. 利息は年◯%、遅延損害金は◯%とします。

平成◯年◯月◯日

借り主  住所 〇〇県〇〇市〇〇 ◯丁目◯番

氏名 〇〇 〇〇  印

これだと堅苦しい!という方には、もう1パターン紹介しておきます。

借用書

〇〇 〇〇殿

借用金 金〇〇円也

上記の金額を、本日たしかに借用いたしました。

返済期日は平成〇〇年〇〇月〇〇日とします。

後日のため、本書を差し入れます。

平成〇〇年〇〇月〇〇日

住所 〇〇県〇〇市〇〇 ◯丁目◯番

氏名 〇〇 〇〇  印

本番を書く場合には、法律事務所などが用意している無料のフォーマットがあるので、そちらを探してみて、自分の境遇に合うものを探してみてもいいでしょう。

「借用書」だと示す標題

まず大切なのは「この紙が借用書だ」ということを示す標題です。

この標題には以下のようなことを書いていきましょう。

  • 借用書
  • 借用証
  • 借用証書
  • 金銭借用証書

これらのようにかいていれば、ひとまず「これが借用書である」ことがわかりますね。

金銭借用証書の場合は、ちょっと詳しい借用書のことを指すことが多いです。基本的にはどれでもOKです!

借用金額

借りた金額も書く必要があります。しっかりと書かないと、借用書の効力がないですよね。

金額の前に「金」、金額の後に「円」と記載しておきましょう。

この金額を書く時の注意としては、間を開けないことです。また、漢数字で記入するということ。

なぜかというと、あとから書き換えられることを防ぐためです。

  • 行間を空けていてケタを増やされてしまう
  • 「一」と書いたはずが一本足され「十」にされる
  • 「10」の間に一本足され「110」にされる

これは一度書き換えられてしまうとわかりません。そのため、しっかりと記入しておきましょう。

借用書に相応しい1~10までの漢字

それでは、それぞれの漢字をここに書いておきます。ちなみに、これらの漢字を「大字」と呼びます。

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10

使うかもしれないので、100、1,000、10,000も載せておきます。

100
1,000
10,000

こちらで対応していきましょう!

利息について

利息についても書いていきます。無利息で貸すのならば「無利息」だと書いておきましょう。

借用書に利息について書いていない場合は、「無利息」と見なされます。

利息をつける旨は書いていても金額が書いていない、という場合は、年で5%の利息となります。しっかりと記載することで、あとからトラブルになることを防ぐことができますよ。

返済の期日

返済の期日も書いておきましょう。年月日をしっかりと記載する必要がありますよ。

書いておかないと、貸した側がほぼ自由に返済の請求ができるようになります。

トラブルを呼んでしまう可能性が高いので、必ず決めましょう。

メモ程度や何ヶ月以内、という記載ではなく、「◯年◯月◯日」までしっかりと記載しましょう。

返済の方法

手渡しなのか、振り込みなのか、返済方法について予めきめておきましょう。

トラブル防止のためにも、振り込みの手数料についても書いておくといいですよ。

ちなみに一般的には、借りた方が手数料を負担します。

とくに記載がなければ、借り主の住所に持参することになります。

「金銭を受領した」という事実の明記

「私が確かにお金を受け取りました」という事実を記載します。

「上記金額を本日に、たしかに受領しました」と書いておきましょう。

これを借りた証拠というのが借用書で大切な部分です。しっかりと記載しましょうね。

お金を受けとった日付

いつお金を受け取ったのかも確認しておきましょう。

こちらも返済期日と同様、「◯年◯月◯日」という記載が必要です。

借用書をつくった日付を記載していて、且つその日に金銭を受け取ったのならば、「本日受け取りました」と書くことも可能です。

借りた人の住所、氏名、押印

借りた人の住所や氏名、そして印も必要です。

書いておきましょう。一般的に署名欄として設けられていることが多いです。

住所とサイン、そして押印をすることによって、「借りたのは確かに私です」と示すことができます。

貸した人の氏名

貸した人の氏名も書いておくといいでしょう。

一般的に、「フルネーム+殿」で宛名のように書かれることが多いです。

書く場所としては、標題の後か、一番最後が一般的です。

借用書を書く時のポイント

借用書を書く時のポイントは以下の通りです。

  1. すべての約束事を書くこと(どんな約束事でもいい)
  2. お互いに納得して作ること
  3. 曖昧な表現をしないこと
  4. だれがどう読んでも同じ意味になるように書くこと

これらはとっても大切なポイントです!心して書いていきましょう。

すべての約束事を書くこと(どんな約束事でもいい)

まず大切なのは、すべての約束事を書くことです。

今後のトラブルを防ぐために作った借用書に記入漏れがあっていては、結局トラブルになってしまいます。

後々に読んでもわかるように、しっかりとすべての約束事を書いていきましょう。

借用書のフォーマットに書いていないことでも大丈夫です。どんなことでもいいので、書いておきましょう。

本当にどんなことでも書いていいの?

ほんとにどんなことでも書いていいの?と思うかもしれませんが、どんなことでも書いていいです。

例えば、「返す時は喫茶店〇〇で返します」や、「返す時は居酒屋で、一杯のみましょう」などでもOKです。

あなたとお相手がしっかりと約束に同意できるのならば、なにを書いてもいいんですよ。

例外もあります!

なんでも書いていいとは書きましたが、例外もあります

  • 法律に反するもの
  • 公の秩序と善良の風俗に反するもの

つまり、契約内容は法律とモラルに則ったものに限る、というわけです。

例えば、「どうしても返せなくなったら、銀行強盗してでも返すこと」などは法律にひっかかるのでダメです。

「返せなくなったら罰として、自分と愛人関係になること」なども、モラルに反するのでダメですよ。

お互いに納得して作ること

お互いに納得して借用書を制作する、というのも大切なポイントとなります。

借用書自体は、基本的に借りる側が作るものとなります。

しかし、貸す側が何も読まずにサインをしてしまったり、それを受け取ったりしてしまってはいけません。

お互いに納得した借用書を制作することが、後々のトラブルを予防します。しっかりと読み込んで、確認しましょう。

曖昧な表現をしないこと

曖昧な表現を使わない、ということも非常に重要です。

例えば、以下のような表現は避けたほうがいい、ということです。

【曖昧な表現と正しい表記例】

「返せるような状態になり次第返します」

→「◯年◯月◯日に返します」

「金約五拾万円受け取りました」

→「金五拾萬百弐拾壱円受け取りました」

明記しておくことで、後のトラブルを防ぎましょうね。

だれがどう読んでも同じ意味になるように書くこと

大切なことは、誰がどう読んでも同じ意味になるように書く、ということです。

方言などで書いたら、後で分からなくなってしまうかもしれませんね。

汚い字で書いて後で読めない、曖昧な表現が多く、あとで読みかえしてもよくわからない、身内で書いているので、略語などが頻出していて、第三者が見てわからない。

このようなことのないように、「だれがいつ、どう読んでもわかる」ような状態にしておく必要がありますよ。

借用書で金銭のトラブルを防ごう!

お金を貸す、というのは相手への信頼がないとできないこと。

借りる側としても、その信頼関係は壊したくないものです。しっかりと事前に契約書を交わすことで、相手との関係性を守ることができます。

借用書をちゃんとつくって、金銭トラブルを避けましょうね。