任意整理とは?

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通帳見て悩む人

任意整理はもっとも多く利用されている債務整理の方法です。その名の通り裁判所を通さない「任意での債務整理」となり、賃金業者との交渉による借金の減額分割返済の要求となります。任意の交渉のため賃金業者には話し合いに応じる義務はありません。個人での交渉は不可能ではありませんが、通常は対等なやり取りのため弁護士に交渉を依頼することになります。一般的に債務整理の方法としてはもっともデメリットが少ないと考えられおり、借金の困窮度が低い場合などは最初に検討される方法です。

デメリットが少ない債務整理とは?

任意整理がもっともスタンダードな債務整理として検討されるのは、いくつかの理由があります。もちろん裁判所を通さないことによる手続きのシンプルさはその理由の一つです。複雑な手続きがないことはそれだけで魅力といえます。任意整理は他にも特筆すべき特徴をいくつか持っていますのでいくつか紹介します。

整理する借金を選択できる

任意整理は債権者を個別に相手取っての交渉となります。複数の債権者に対して借金があった場合も整理する借金を選ぶことができます。これがどういうことかというと、連帯保証人がついている借金があった場合、その借金のみを整理しない、という選択肢があるということです。
保証人に迷惑をかけたくないのであれば、その借金だけを整理しないといったことが可能なのです。車のローンが残っていて借金がある場合も、任意整理の対象外にすれば車を処分する必要はありません。車を所持しながら借金を返していくことも理論上はできます。

職業制限はない

自己破産の場合、弁護士、公認会計士、税理士、行政書士、宅地建物取引主任者といった職業についていれば職を失うことになります。その点、任意整理の場合は職業による制限はありませんので、上記の職業についていても手続きが可能です。一時的な復職制限もありませんので、自己破産のように免責を待つことなく復職することができます。

破産者にはならない

自己破産手続きをした場合、国が発行する官報に氏名が記載され、最高で10年間破産者であるという情報が保有されます。一方、任意整理の場合は官報に名前が載ることはありません。また、破産者になった場合、市区町村で管理される破産者名簿に情報が記載され、本籍地で発行される身分証明書に破産した事実が記載されることになりますが、任意整理では破産者にならないためこういったことはありません。

任意整理を選ぶ理由

デメリットが少ない任意整理ですが問題もないわけではなく、債務者すべてにとって正しい選択というわけではありません。債務整理の際はそれぞれの手続きに関して正しく理解しておく必要があります。任意整理に関して留意しておくべきポイントを以下にまとめました。

完済を目指した手続き

任意整理は自己破産とは違い、返済そのものから免れる手続きではありません。つまり「借金をすべてなくしたい」と考えている方には向きません。手続き中は一時的に返済義務をストップさせ、この間に完済に向けた準備を整えます。債務者はしっかりとした返済意識と返済能力を持っている必要があります。任意整理手続き後は通常3年間程度での完済を目指すことになります。もし任意整理後、返済不可能な事態になってしまえば、そのときは今度こそ自己破産となってしまいます。

すべては交渉次第

任意整理では全てが任意です。そもそも賃金業者が話し合いに応じる保証はありませんし、借金の減額もすべては交渉次第となります。より負担の少ない返済条件を目指すのであれば、交渉を優位に進める必要があります。債務者自身は心理的に対等な交渉は難しいでしょうから、一般的には弁護士が交渉を代行しますが、それでもよい返済条件を確約するものではありません。大きな借金の減額効果を期待する場合、任意整理は選択肢から外れることになります。

もう借金をしないための生活

信用情報機関にて情報を共有するため、任意整理後5年程度は新規のカード利用、ローンの利用などができません。もちろんこのようなペナルティーはどの債務整理手続きを行ったとしても発生しますし、任意整理の場合は他に比べても軽いものとなっています。しばらくは必然的に手元の現金だけで生活していくことになりますが、もう二度と借金をしない生活を目指すのであれば当然といえます。

まとめ

このように、社会的信用、手続き後の生活への影響などどれをとっても任意整理によるデメリットは少なく、あったとしても債務整理の手続きとして当然といえるものです。借金を整理したいけど破産者には慣れない、またはしっかりとした収入があり自己破産をするほどではないといった状況であれば選択肢としてはベストなものでしょう。