住宅ローン審査に落ちたのは消費者金融を使ってたから?完済してれば大丈夫?

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住宅ローン契約は、誰もが避けて通れない道です。しかし、10~20年かけて数千万円の返済を行うという性質上、個人向けローン契約のなかでは最も厳しい審査が行われています。

「住宅ローン審査に落ちてしまったけど、もしかしてサラ金利用経験のせい?」
「過去に消費者金融を利用していたけど、審査対策はどうすればいい?」

キャッシング経験があっても、一概に住宅ローン審査に落ちるというわけではありません。審査の裏側を専門家視点で解説します。

消費者金融の審査基準を徹底解説!審査に落ちる人・通るコツ

住宅ローン審査は「信用情報」が重視される

住宅ローン審査では、それまでに契約したローン返済記録の集約である「信用情報(クレジットヒストリー)」を最重要視します。

信用情報機関3社で保管されているこの記録は、住宅ローン審査が始まると必ず調査されています。

いわゆる金融ブラックとは、この3社の記録上に「異動(延滞や債務整理があったことを示す用語)」が記載されていることを指します。

信用情報機関一覧
①CIC 主に消費者金融が加盟
②JICC(日本信用情報機構) 消費者金融とクレジットカード発行会社が加盟
③全国銀行協会 銀行が加盟

住宅を購入する際に門前払いを受けないよう、自分であらかじめ信用情報を調べておくことも出来ます。

消費者金融を完済していても住宅ローン審査に落ちる?

完済して借入残高のない状況でも、信用情報には過去に借りた記録が残されています。そのため、住宅ローン審査対象者に隠しておくことはできません。

借入記録が残っていると「今後お金が不足する可能性が」と判断されてしまい、不利になってしまうのは否めません。

一定期間を過ぎていれば審査に影響はない

とはいえ、借入記録は永久に残るわけではありません。

完済しており債務整理等の重大トラブルもなければ、5年程度で抹消されます。以降、審査担当者が過去のサラ金利用歴を確認することは出来ません。

「若いころに利用したものの無事完済できている」という人は、住宅ローンへの影響を心配する必要はありません。

「銀行系カードローンなら大丈夫」というわけではない

消費者金融だけでなく、銀行も「銀行系カードローン」と呼ばれるキャッシング商品を提供しています。

2000年代後半以降にキャッシング経験のある人には、心当たりのある人も多いのではないでしょうか。

たとえ銀行系カードローンであっても、キャッシング利用経験は審査に不利となります。

ただし「カードローンと住宅ローン契約先が同じ銀行で、カードローンは完済している」場合は例外です。

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銀行系カードローンの完済実績で審査に通りやすくなることも

銀行は信用情報と同様に、自行への返済実績も重視します。

銀行系カードローンを利用して完済したことがある場合、返済能力を高く評価されて審査に通りやすくなります。

しかし、審査上有利となるのは「返済トラブルを起こさずきちんと支払っていた場合」に限ります。

もしカードローンの利用中に延滞・債務整理をしていた場合、銀行内で「社内ブラック」として登録されている可能性があります。

この場合では、この銀行で住宅ローン審査に通ることは半永久的にないと考えましょう。別の銀行へと申込先を切り替える必要があります。

住宅ローン審査で落ちるケース

消費者金融に限らず、カードローン利用は審査担当者にとってイメージが悪いものです。

住宅を持つほどの収入があるにもかかわらずキャッシングするということは、金銭感覚の問題や特別な出費があると判断されてしまうためです。

そして、キャッシング歴が原因で住宅ローン審査に落ちる人には一定の傾向があります。

①消費者金融で滞納したことがある

あらゆるローン審査に共通して言えることですが、消費者金融での滞納は特に住宅ローンへ悪影響があります。

とはいえ、1~2度程度の返済遅延であれば、それほど大きく影響しません。

  1. 支払いを忘れる癖があり、何度も1~2日程度の延滞を繰り返した
  2. 滞納が2ヵ月以上に及び、強制解約された
  3. 保証会社による代位弁済(借入残高の全額立て替え)が発生した

こういった経験のある人は、住宅ローン審査に落ちる可能性が極めて高い状態です。

①の場合、収支のバランスというよりも自己管理能力に疑問を持たれてしまいます。

②と③の場合、自身では認識できていなくても、重大な金融事故に発展している可能性があります。

いずれも完済から5年間は異動記録が残り続ける「金融ブラック」の状態に当てはまり、住宅ローン以外の審査も通りにくい状況に陥っています。

実際に自分の信用情報を確認するまでは気付きにくい落とし穴です。

②消費者金融で債務整理をした

任意整理・自己破産・個人再生(民事再生)のいずれかを行っていた場合、良く知られるようにブラックリストに入ってしまいます。やはり、ローン全般の審査に通ることが難しい状況です。

しかし、債務整理の記録も永久に残るわけではありません。

ブラックリスト解除までの期間
任意整理 完済から5年程度
自己破産・個人再生 完済から7~10年

勘違いされやすいのが任意整理です。

利息カットの和解後に滞りなく払い続ければ、支払い中でもクレジットカード等の審査に通ることがあります。

これにより「住宅ローンも大丈夫」と考えられがちですが、そのようなことはありません。

住宅ローンに通る可能性が出てくるのは、任意整理の記録が抹消された段階です。まず完済していることが前提になるので、注意しましょう。

債務整理のメリット・デメリットを徹底解説!

③現在も消費者金融で借入残高がある

遅れずきちんと支払っていたとしても、現在進行形で消費者金融を利用していると、住宅ローン審査に通ることは非常に難しくなります。

「数百万円単位の頭金を用意できるのに、どうして先にカードローンを完済しないのか」と思われてしまうからです。

メガバンク(三菱UFJ銀行・りそな銀行・みずほ銀行)やそのほかの都市銀行では、消費者金融で借入残高がある時点で審査落ちの判断を下しています。

地方銀行やネット銀行では審査を続けてくれる傾向にありますが、それでも大幅に不利になってしまいます。

④借入残高はなく使う予定もないのに、解約せずカードを持っている

カードローン審査には時間がかかるため、いざという時にすぐ借りられるようローンカードを解約せずにいる人も多いのではないでしょうか。

実は、これが住宅ローン審査に落ちる原因となってしまいます。

消費者金融との契約が継続しているということは、そのカードを使っていつでも再度キャッシングすることができます。

住宅ローン契約後にふたたび消費者金融を利用し、たちまち返済困難に陥ってしまう可能性があるためです。

ローンカードの限度額は「無担保比率」に含められる

銀行が住宅ローン審査を行う際、重視している項目に「無担保比率」というものがあります。

年収に対する無担保ローンの比率を指し、30%以下が理想的とされています。

【無担保ローンの一例】

  •  消費者金融や銀行のカードローン
  •  クレジットカードのキャッシング枠
  •  美容ローン

住宅ローン審査では、借入残高がなくてもローンカードの限度額を「現在ある無担保ローン」として計算しています。

使わず契約だけが生きている消費者金融のカードが不利となるのは、適正な比率を超えてしまう可能性があるためです。

使わないクレジットカードも解約しておき、ショッピングで利用するカードについてもキャッシング枠はなるべく外しておきましょう。

銀行系カードローンも、惜しまず解約する必要があります。

ここで解約しても、住宅ローン契約後に一定の返済実績を積んでから再申込することで、審査で優遇してもらいやすくなります。

カードローン借り入れ以外に住宅ローン審査に影響する事例とは?

住宅ローン審査に影響するのは、サラ金や銀行のカードローンだけではありません。

「ずいぶん前にカードローンを利用したが、遅れなくきちんと完済した。何故落ちてしまったのか分からない」
「そもそも消費者金融を利用したことがない」

という人も大勢います。審査に落ちた原因がわからない場合、次のような経験がないか思い返してみましょう。

意外な審査落ちの理由①「無担保ローンの利用経験が多い」

すでに紹介しましたが、無担保ローンは住宅ローン審査において重視されます。

返済中のもの・使っていないカードローンだけではなく、完済している契約についても注目されています。

その理由は、やはり信用情報に残る借入記録です。エステや脱毛ローン・資格スクールの分割払いやジム会費にいたるまで、ローン会社を経由して契約したものは全て信用情報に記録されています。

無担保ローンの利用が多すぎたり、万一にも返済遅延が起こっていたりすると、審査担当者の心証が悪くなります。

意外な審査落ちの理由②「ローン契約・借入件数が多い」

白物家電やパソコンなど、クレジットカードがなくても分割払いで購入できるものは多くあります。お住まいの地域よっては自動車ローンの契約も避けられません。

これらも「現在支払い中のローンや借入残高」と見なされ、件数や残高が多いほど住宅ローン審査では不利になります。

とはいえ、生活する上でまったくローン契約しないわけにはいきません。

そこで銀行の審査担当者は、以下で紹介するローン種類から2~3件程度であれば問題ないと考えます。

  • 自動車ローン
  •  家電等のショッピングローン
  • 奨学金の償還または教育ローン
  • 銀行系カードローン(1件まで)

キャッシングやローン契約の合計が4件以上になると、多重債務のリスクがあるとして、審査に落ちやすくなります。安易な分割払いは控えましょう。

おまとめローンを利用すべき人の条件!おすすめの業者と審査に通るコツ

意外な審査落ちの理由③スマホ料金をよく滞納する

携帯電話の料金は、滞納してもそれほどデメリットがないように感じます。回線が止まってしまうと不便ですが、厳しい督促はありません。

習慣のように何度も滞納してしまう人も多いのではないでしょうか。

ここで気を付けたいのが、スマホ本体代金の割賦契約です。

近年の機種は1台10万円を超えることがあり、多くの人が通信料金と合算で本体代金を支払っています。実は、これもひとつのローンです。

通信料金と同時にローンも滞納したことになり、それぞれの携帯電話キャリアから信用情報機関へと記録されます。これが住宅ローン審査で不利となり、落ちてしまう人もいます。

スマホはできるだけ代金一括で購入するか、通信料金を滞納しないようにしましょう。

意外な審査落ちの理由④奨学金で返済トラブルを起こした

貸付型の奨学金制度を運営している「日本学生支援機構」は、2008年より信用情報機関に加盟しました。

これにより、返済状況が他のローン同様に記録されています。

【奨学金利用で記録される内容】

  •  氏名・住所・勤務先等の個人情報
  •  貸与額
  • 最終返済期日

…日本学生支援機構公式HPより

公式サイトには明確に「返済に遅れると住宅ローン・自動車ローン契約が組めなくなる場合がある」と明記されています。

この団体で借りた奨学金で延滞・債務整理が起きると、消費者金融のカードローンと同じくブラックリストに入ってしまいます。

奨学金返済中でも審査に通るが、返済比率(返済負担率)に注意

一方で、奨学金を返済中でも、消費者金融ほど住宅ローン審査には影響しません

進学する上でやむを得ないローンであり、本人の金銭感覚を評価するものではないからです。

ただし、返済比率というバロメーターに注意する必要があります。

【返済比率(返済負担率)とは】
年収に対する年間返済額の比率。年収300万円・年間の奨学金返済額が60万円(毎月5万円)だった場合、返済比率は20%です。年間返済額は、奨学金だけではなく「契約中のあらゆるローン返済額(クレジットカードのショッピング枠を除く)」の合計で計算します。

住宅ローンの場合、返済比率は20%以内が審査に通りやすいラインです。奨学金の返済中は返済比率が上昇しており、他の支払い中ローンとの兼ね合いで審査通過ラインに到達できない可能性があります。

住宅ローン審査を受ける前に信用情報をチェックしよう!

銀行や消費者金融が照会する信用情報は、本人であれば開示請求できます。事前に自分の目で信用情報を確かめておけば、住宅ローン審査に通る可能性を予測できます。

【信用情報から分かること(一例)】

  •  現在の借入残高
  • 契約中のカードローン・クレジットカード一覧
  • 過去の消費者金融やその他ローンの借入履歴
  • 「異動記録(重大な金融事故)」の有無

信用情報の開示請求は、3社ともインターネット(PC/スマホ)から手続きできます。その際は本人確認書類(運転免許証など身分証明書)と所定の手数料が必要です。

信用情報機関の名称 開示方法 料金 料金の支払い方法 受付時間
JICC(日本信用情報機構) インターネット(PC/スマホ)・郵送 1,000円 クレジットカード・コンビニ・ペイジー対応の金融機関 24時間365日
CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関) インターネット(PC/スマホ)・郵送・全国7拠点の窓口 1,000円 クレジットカードのみ 毎日8:00~21:45
全国銀行協会個人信用情報センター 郵送のみ 1,000円 ゆうちょ銀行発行の定額小為替証書 年中無休で原則10日以内に回答

夫婦で収入合算・ペアローンを組む場合は、2人とも銀行の審査対象となります。夫・妻それぞれ信用情報を開示しましょう。

消費者金融の利用歴は審査落ちに影響!ただし真の原因はそこではないかも?

消費者金融の利用歴があると、たとえ完済していたとしても住宅ローン審査に不利になります。代表的な審査落ちの原因を挙げると、次の通りです。

  •  完済が直近5年以内
  • 消費者金融または銀行系カードローンの利用中に、返済トラブルを起こしていた
  • 住宅ローン申込時点も消費者金融で返済中

事前に信用情報を開示して確かめておくと、住宅ローン審査に落ちた場合の分析&対策ができます。ただし、審査落ちの原因は消費者金融以外にも存在します。

まずは返済中のローンをすべて把握して、件数や延滞の有無を振り返ってみましょう。